Wi-Fiの電波が弱い?1分で診断・すぐできる5つの対処法

Wi-Fiの電波が弱くて、動画が止まる、ウェブページの読み込みが遅い、テレワーク中に切断される——こうした問題は、日本の多くの家庭で日常的に起きています。しかし、新しいルーターを買い替える前に、見直すべきポイントがあります。本記事では、1分でできる診断方法と、すぐに試せる5つの対処法を紹介します。

本当にWi-Fiの問題?まずは症状を確認

インターネットの速度低下は必ずしもWi-Fiのせいとは限りません。次のような状況であれば、Wi-Fi電波の問題の可能性が高いです。

  • 特定の部屋や場所でだけ通信が不安定になる
  • ルーターの近くでは正常に動作する
  • 同じ時間帯に同じ場所で動画が頻繁に止まる

これらに該当する場合は、まず無線環境を見直しましょう。

電波が弱くなる原因とは?物理的障害と電波干渉

Wi-Fiは無線電波を使って通信するため、さまざまな障害要因があります。主な原因は以下の通りです。

  • ルーターの設置場所:家具の裏、床に直置きなど、遮蔽物があると電波が届きにくくなります
  • 壁や金属:鉄筋コンクリートや金属製の扉は電波を吸収または反射します
  • 電子機器との干渉:電子レンジ、コードレス電話機、Bluetooth機器などが電波干渉を起こすことがあります
  • チャンネルの重複:集合住宅では他のWi-Fiと干渉しやすく、速度低下の原因になります

家庭内の構造や周辺機器の配置も影響を及ぼします。

1分でできる自己診断チェック

スマートフォンを使えば、自宅のWi-Fi環境を簡単に診断できます。

  1. 通信が不安定な場所でSpeedtestなどのアプリで通信速度を測定
  2. ルーターの近くで同じテストを行い、差を比較
  3. 家の間取り図に問題のあるエリアを記録
  4. Wi-Fiアナライザー系アプリで、混雑しているチャンネルをチェック

この簡易チェックでおおよその原因を把握できます。

対策①:ルーターの設置場所を見直す

最も簡単かつ効果的なのが、ルーターの場所を変えることです。

  • 家の中心付近、かつ壁に囲まれていない場所が理想
  • 床に直置きせず、1m以上の高さに設置
  • 冷蔵庫、電子レンジなど大型家電の近くは避ける

電波は上下にも広がるため、床や天井に近すぎると減衰します。

対策②:2.4GHzと5GHzを使い分ける

デュアルバンド対応ルーターでは、2.4GHzと5GHzの2種類の周波数が使えます。それぞれの特徴を理解して選択しましょう。

  • 2.4GHz:壁に強く、遠くまで届きやすいが混雑しやすい
  • 5GHz:速度が速いが壁に弱く、届く範囲が狭い

高画質動画やゲームには5GHz、離れた部屋やスマート家電には2.4GHzが適しています。

対策③:ファームウェアの更新と設定の最適化

古いファームウェアや初期設定のままでは、性能が発揮されません。

  • ルーターの製造元のサイトから最新ファームウェアをダウンロード
  • WPA2またはWPA3を設定し、セキュリティ強化
  • 2.4GHz帯ではチャンネル1、6、11のいずれかを試すのが効果的

設定を変更したら、必ずルーターを再起動してください。

対策④:中継機またはメッシュWi-Fiの導入

物理的な構造で電波が届きにくい場合は、電波の拡張が必要です。

  • Wi-Fi中継機:ルーターと接続先の中間に設置して、電波を増幅
  • メッシュWi-Fi:複数の端末が連携して家全体をカバーする最新技術

特に2階建てや壁の多い間取りにはメッシュWi-Fiが有効です。

対策⑤:PLCアダプター(電力線通信)を活用

電源配線を使ってインターネットを届けるPLCも有効な手段です。

  • 壁の多い部屋や離れた部屋にも通信が可能
  • オンラインゲームや動画視聴でも安定性あり
  • タコ足配線ではなく、壁のコンセントに直差しするのが望ましい

古い建物や電波が届きにくい場所で特に有効です。

意外な落とし穴:電波を妨害する家電たち

以下のような機器がWi-Fiと干渉することがあります。

  • 電子レンジ:2.4GHz帯に大きな干渉を与える
  • ベビーモニターやBluetoothスピーカー:同じ周波数帯で混信
  • スマートホーム用ハブ:ルーターの近くに置かないよう注意

ルーター周辺には1m以上の空間を確保すると干渉を減らせます。

日々のメンテナンスで安定運用を維持

一度設定して終わりではなく、定期的な見直しが重要です。

  • 週に1回程度はルーターを再起動
  • 3〜6ヶ月ごとにチャンネル混雑状況を再確認
  • ファームウェアの更新を定期的に実施
  • 新しい機器の追加時は適切なバンドを設定

小さな積み重ねが、安定した通信環境を守ります。

まとめ:問題別の原因と対策一覧

症状考えられる原因推奨対策
特定の部屋だけ通信が不安定ルーターの設置場所が悪い設置場所の見直し、中継機導入
家全体で速度が遅いファームウェア未更新、チャンネル干渉ファームウェア更新、チャンネル変更
ストリーミングが頻繁に止まる帯域不足、距離が遠い5GHz使用またはPLC導入

高価な機器を買い替える前に、今ある環境での最適化を試してみましょう。小さな改善でも効果は大きくなります。