赤ちゃんのおもちゃ、安全基準を知らずに選んでいませんか?

「安全そうに見える」は思い込みかもしれない

赤ちゃん向けのおもちゃは可愛らしさや価格、ブランドで選びがちですが、見た目だけで選ぶのは非常に危険です。乳児は何でも口に入れて確かめるため、構造や素材に潜む危険がそのまま事故に直結します。日本でも毎年多数の乳幼児おもちゃによる事故が報告されており、その多くが安全基準を満たさない製品によるものです。

購入前に必ず確認すべき「安全マーク」

日本では、赤ちゃん用のおもちゃはSTマークまたはPSCマークの取得が基本です。海外製品ならCEマーク(EU)、ASTM(アメリカ)などもチェックポイントになります。

  • STマーク:日本玩具協会が定めた物理的・化学的安全性の検査基準に合格した証明
  • PSCマーク:消費生活用製品安全法に基づく特定製品の安全認証
  • CEマーク:EU域内での販売に必要な安全基準適合の証明

これらのマークが本体やパッケージ、説明書に明記されているかを必ず確認しましょう。ネット通販では商品ページに詳細が記載されているかがポイントです。

飲み込めるサイズ?窒息リスクの基準とは

赤ちゃんは生後6ヶ月頃からなんでも口に入れる時期に入ります。直径3cm未満のパーツは誤飲・窒息のリスクが高く、最も警戒すべきポイントの一つです。目安となるのは以下の基準です。

チェックポイント理由・説明
小部品警告表示の有無「3歳未満対象外」とある場合、窒息リスクのある小部品を含んでいる可能性
食べ物の形に似たおもちゃ誤って本物と認識し口に入れる危険性が高い

消費者庁の調査でも、おもちゃによる窒息事故は年間で複数件発生しており、特に乳児期は注意が必要です。

素材に含まれる化学物質、経口・皮膚から吸収されるリスク

赤ちゃんのおもちゃにはプラスチック、ゴム、塗料など多様な素材が使われています。特にフタル酸エステル、鉛、カドミウムなどが含まれている場合、神経系の発達やホルモンに悪影響を及ぼす恐れがあります。

  • 無認証の安価な輸入品
  • ゼリー状やスライム系のおもちゃ
  • 光沢塗料の使用された木製玩具

これらの商品は、厚生労働省の基準に適合しているか確認が不可欠です。

壊れやすい構造はケガの元

一見頑丈に見えても、構造が脆いおもちゃは落とした際に割れたり尖った部位が発生するリスクがあります。ABS樹脂ではなく脆いプラスチックが使われている場合、ヒビや破片による怪我の可能性も否定できません。

確認すべき構造面のチェックポイントは次の通りです。

  • ネジでしっかり固定されているか
  • 中に金属球や重りなどが入っていないか
  • 落としても鋭利な角が発生しないか

光や音の刺激にも注意が必要

電子音や光るギミックは子どもの興味を引きますが、感覚過敏や発達障害のリスクを高める要因にもなります。特に85dB以上の音は乳児の聴覚に影響を及ぼす恐れがあるため、音量調整機能があるかを必ず確認しましょう。

また、点滅速度が速いLEDはてんかん発作の誘因になる可能性があるため、「目に優しい」モードの有無も重要です。

対象年齢表示を「目安」と思っていませんか?

パッケージに記載されている「対象年齢」は単なる参考ではなく、その年齢未満には適さないという明確な指標です。「3歳以上」とあるおもちゃを1歳児に与えるのはNGです。誤飲、誤使用、使用方法の理解不足などのリスクを伴います。

ネット購入時に注意すべきポイントは?

通販サイトでは商品の実物を手に取れないため、信頼性のある情報が掲載されているかが最重要です。以下のチェックリストを参考にしましょう。

  • 商品説明に安全マークや認証番号の明記があるか
  • レビューに実物の写真や使用感の記載があるか
  • 価格が相場に比べて極端に安くないか

特にSNSを経由した個人輸入品や海外サイトからの直輸入品は、安全基準を満たしていないことが多いため慎重に選ぶ必要があります。

中古のおもちゃ、安全性の再チェックが必要な理由

リサイクルショップやフリマアプリなどで入手できる中古おもちゃはコスパが良い反面、経年劣化による危険性が存在します。ゴム部分の劣化や接着剤の剥がれ、構造の弱体化などが起きている可能性があります。

  • 割れやヒビがないか
  • 部品が外れやすくなっていないか
  • 清掃・除菌後も臭いが残っていないか

特に2000年代以前に製造された玩具は、現在の安全基準を満たしていない可能性が高いため注意が必要です。

リコール情報は消費者庁のサイトで確認

赤ちゃん用おもちゃの中には、販売後に安全性の問題が発覚し、自主回収やリコール対象となっている商品も存在します。消費者庁や独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のウェブサイトで商品名や型番、メーカーを入力して確認が可能です。

特に中古や譲り受けたおもちゃは、リコール対象でないかを必ず事前に調べましょう。

まとめ:赤ちゃんのおもちゃ選びで確認すべき5ステップ

  1. 安全マーク(ST、PSC、CEなど)の有無
  2. パーツのサイズと構造的な安全性
  3. 有害化学物質の含有有無
  4. 光・音など感覚刺激の強度
  5. 対象年齢とリコール情報の確認

おもちゃは単なる遊び道具ではなく、赤ちゃんの発育に密接に関わる重要なアイテムです。見た目や価格に惑わされず、安全性を最優先に選ぶことが保護者の責任であることを忘れないでください。

※本記事は生活情報の提供を目的としたものであり、最終的な購入判断は読者自身の責任で行ってください。