寝返りを打つたびに「ギシギシ」「ミシミシ」と音がする…。その不快な音は、単なる寝具の経年劣化と思われがちですが、実は睡眠の質や身体の不調に直結する重大なサインかもしれません。この記事では、マットレスから異音がする主な原因を明らかにし、誰でも実践できる解決法と予防策を網羅的に解説します。
その音、本当にマットレスが原因ですか?
異音の原因がマットレスと思い込んでいる人は少なくありませんが、実際には次のような部分が音の発生源になっているケースが多いです:
- マットレス内部のバネや詰め物の劣化
- ベッドフレームのネジ緩みや接合部の摩擦
- すのこ・ボックススプリングの歪みや破損
- 床とベッド脚の接地面の摩擦音
まずは体重をかける位置を変えて音の発生源を探ったり、マットレス単体とフレームを別々にチェックすることが重要です。
マットレスやベッドから異音が出る主な5つの原因
- ベッドフレームのネジやボルトの緩み
- マットレス内部のスプリングや素材の劣化
- すのこやボックススプリングの破損またはゆがみ
- 床とベッド脚の摩擦による音
- 湿気や温度変化による木材の膨張・収縮
それぞれの原因に対して、具体的な確認方法と対処法を以下で解説していきます。
1. フレームのネジ緩みは見落とされがちな原因
組立式ベッドや金属製フレームでは、ネジの緩みによってきしみ音が発生することが非常に多く見られます。
- チェック方法:フレームの四隅やジョイント部分を手で揺らして確認します。
- 対処法:
- 六角レンチやドライバーでネジをしっかり締め直す
- 金属部にはシリコン系潤滑スプレーを塗布
音の出やすい接合部には、フェルトパッドやゴムワッシャーを挟むと効果的です。
2. マットレス自体の劣化やバネのゆがみ
特にポケットコイルやボンネルコイルなどスプリング構造のマットレスでは、内部の劣化が音の原因になることがあります。
- チェック方法:マットレスの各部に手で圧をかけ、局所的な音の発生を確認
- 対処法:
- 3〜6ヶ月ごとに上下・表裏をローテーションする
- トッパーを使用して圧力を分散させる
耐用年数を超えている(目安:7〜10年)の場合は、買い替えを検討した方が長期的には合理的です。
3. すのこやボックススプリングのゆがみや破損
マットレスを支えるベース部分に問題があると、動くたびに「ギシッ」と音が出ることがあります。
- チェック方法:マットレスを外し、すのこ単体で体重をかけて確認
- 対処法:
- 歪んだ板の補強または交換
- 木製ベッドの場合はベースをフラットな合板に交換することも検討
最近はボックススプリングを使用しない、固定式のフラットベッドも多く販売されています。
4. 床との接地面の摩擦音
特にフローリングや畳の上で、ベッドの脚と床が直接接していると音が出やすくなります。
- チェック方法:ベッドを横に動かしてみて、音の有無を確認
- 対処法:
- 脚の下に滑り止めゴムや防音パッドを敷く
- カーペットやラグをベッドの下に敷いて緩衝材とする
床の傷防止にもつながるため、一石二鳥の対策です。
5. 湿気や気温変化が木材に与える影響
木製フレームは、季節や室内環境によって伸縮し、それが軋み音に繋がります。
- 予防法:
- 室内湿度を40〜50%に保つ(湿度計や除湿機の活用)
- 暖房器具や窓の結露が直接あたらないよう配置を工夫
- 季節の変わり目ごとにフレームの点検・再締付けを行う
異音の原因チェックシート
チェック箇所 | チェック方法 | 推奨対処法 |
---|---|---|
ベッドフレーム | ジョイントのぐらつきを確認 | ネジの再締め・潤滑剤・パッド追加 |
マットレス | 各部を押して音を聞く | ローテーション・トッパー・買い替え |
すのこ・ベース | マットレスなしで体重をかけて確認 | 板の補修・合板交換 |
接地面(床) | ベッドを動かして音を確認 | ゴム足・ラグマット追加 |
室内湿度・温度 | 湿度計で測定 | 湿度調整・結露対策・定期点検 |
見逃しやすい前兆・サインとは?
- マットレスの一部がへこんでいる
- 寝返り時に小さなきしみが繰り返し起こる
- ベッド全体がやや傾いて感じる
こうした症状は「まだ使える」と思っても、構造劣化が進んでいる合図。早めの対策が肝心です。
修理・交換にかかる費用(日本国内想定)
- ネジ締め・パッド追加など軽度対策:〜2,000円程度
- トッパー導入:3,000〜10,000円(品質による)
- マットレス・フレーム交換:20,000〜80,000円(中価格帯)
保証期間内であれば無償交換が可能なケースも。購入時の保証内容を確認しましょう。
音の発生を防ぐための日常習慣
- 年に2回以上のフレーム点検・増し締め
- マットレスの定期ローテーション(表裏+上下)
- ベッド脚に滑り止めや防音パッドを装着
- 室内湿度を常にチェックし、除湿・加湿を適切に
まとめ:静かなベッドは良質な睡眠への第一歩
マットレスやベッドのきしみ音を軽視すると、快適な睡眠だけでなく、体のバランスや腰痛にも影響する恐れがあります。原因を正しく見極め、適切なメンテナンスや予防策を取ることで、音のない快適な睡眠環境を長く維持できます。今日、少しの時間を使って自分のベッドをチェックしてみましょう。